茨城・来福「純米吟醸 イチゴの花酵母」と冬瓜と枝豆の鶏そぼろあんかけ

晩酌

こんばんは!日本酒の魅力を探求する週末の楽しみ、日本酒おじさんです。全国各地の酒蔵から選りすぐりの一本を味わい、その魅力を皆さんにお届けしています。日本酒の奥深さと、それに合うおつまみのペアリングを一緒に楽しんでいきましょう!

さて、今回ご紹介するのは、茨城県筑西市にある老舗・来福酒造の「来福 純米吟醸 イチゴの花酵母」です。

来福酒造は創業1716年、実に300年以上の歴史を持つ酒蔵です。「福が来るように」と願いを込めた看板銘柄「来福」を中心に、花酵母を用いた個性的な酒造りでも注目を集めています。梅、ひまわり、アベリアなど様々な花の酵母を用いたラインナップを展開しており、実験的かつ繊細な香味設計が魅力です。

今回いただく「純米吟醸 イチゴの花酵母」は、東農大で分離されたイチゴの花の酵母を使用した一本。ラベルにはかわいらしいイチゴのイラストが描かれており、思わず手に取ってしまいたくなるデザインです。アルコール度数は16度、精米歩合は55%と、吟醸酒としてもしっかりと造り込まれています。

それでは、冷酒でいただきます。

開栓した瞬間、ふわっと甘酸っぱいイチゴのような香りが広がります。いざひと口含むと、香りに反して甘ったるさはなく、しっかりとした芯のある味わい。しっかりめながらも、酵母由来の華やかさとほんのり感じる果実感がバランスよく共存しています。すっきりとした余韻が心地よく、食中酒としても非常に優秀。

今回の肴は「冬瓜と枝豆の鶏そぼろあんかけ」と「菜の花の胡麻和え」。

冬瓜はやわらかく煮含め、口の中でホロリとほどける絶妙な食感。枝豆の彩りと食感がアクセントになり、全体として優しい味わいにまとまっています。鶏そぼろのあんが程よい塩気と旨味を加えてくれて、イチゴの花酵母の日本酒と絶妙なバランスに。

やさしく包み込むような料理に、香り華やかな来福の純米吟醸。

もう一品の菜の花の胡麻和えは、春の香りを感じさせてくれる爽やかな副菜。ごまの香ばしさとほろ苦い菜の花の味わいが絶妙で、日本酒のやわらかい口当たりとよく合います。とくに来福の持つフルーティな香りが、ごまのコクといいコントラストを生み出して、意外なほど相性の良い組み合わせでした。両者が引き立て合って、ひと口ごとに幸せが広がります。特に冬瓜の瑞々しさが、来福の軽やかな口当たりとよく合い、口の中がふわっと涼やかに。

「イチゴの花酵母」というユニークな素材に興味を惹かれますが、その仕上がりは決して奇をてらったものではなく、丁寧な仕事を感じる本格派。見た目の可愛らしさに反して、非常に奥深い一本だと感じました。

いちご来福、酒屋さんで見かけたらぜひ一度試してみてください。日本酒の新しい魅力にきっと出会えると思います!

次回は長野の日本酒で晩酌を楽しむ予定です。どんな一本と出会えるか、今から楽しみです!

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