星野リゾート・界 川治
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全国各地に温泉旅館や高級リゾートを運営している星野リゾート。高級温泉旅館を展開している星野リゾートの「界」ブランドは現在、全国で11箇所ありその中でも「界 川治」は2014年6月に新しくオープンしたばかり。
日光ののどかな山里に佇んでいながらも全52室ある館内はロビーも広々として開放感があり、またガラス張りの自然あふれる山々を見渡せたりなど、とても洗練されています。
そんな自然を眺めながら、おしぼりと共に出てきたウェルカムドリンクの豆乳ココアは寒い真冬の川治で冷えていた身体を温めてくれます。
部屋に入ると大きいソファと掘りごたつ、大きな窓から山や渓流が一望できます。モダンで落ち着いた家具で統一されており、安らぎを与えてくれます。
お風呂も、景色を楽しみながらのんびりゆったりできます。
そして夕食。食事処は半個室になっています。日本酒のラインナップは栃木の地酒である井上清吉商店の澤姫、第一酒造の開華、菊の里酒造の大那、燗酒は惣誉が用意されています。
料理は旬のものを使った会席料理。一般的には「食前酒」が出てくるかと思いますが、こちらは「食前酢」という珍しいものが出てきます。葡萄酢 ベルジュ風。葡萄のフルーティーな香りと柔らかい酸味のバランスが楽しめます。
先付は「寄席豆腐 味噌 八方出し」、八寸は「蟹と菊花の砧巻き」、「フォアグラ干し柿」、「小松菜と焼き椎茸のお浸し」、「鮭煎餅 アーモンド」、「ずいきの土佐和え」、「くずし茄子 とんぶり 飛び子」、「鴨薫製とりんごの串」。
一品一品、趣向を凝らしており、どれも大変おいしいです。なかでも日本料理では珍しいフォアグラなどは料理長のセンスがキラリと光る逸品。開華の純米吟醸との相性もばっちり。
椀ものは「かぼちゃのすり流し」。中に潜んでいる大根餅との相性もよく、またカニも入っており食べごたえのある椀ものとなっています。冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかないという風習もあり、また暖かくいただけるのでうれしい一品。
お造りは真鯛、日光サーモン、アオリイカなど。味付けされているので醤油をつけずに食べます。お造りも山里ならではの工夫がなされております。さしみ湯葉などは惣誉のぬる燗をクイッと飲みながらいただきたくとほっこりした気分に。
揚げ物は鹿沼こんにゃくと野菜の天ぷら。揚げたこんにゃくは珍しいですが、この栃木県鹿沼市名産の鹿沼こんにゃくは歯ごたえがあり、抹茶塩につけていただくと絶品。地のものには地酒がよく合います。
穴子けんちん蒸し。あっさりとした穴子の食感に、きりっとした大那の超辛口が合います。品に良いだしで煮こまれた人参や巻き湯葉もお酒が進む味。
朝食はいかの塩辛やこんぶ梅などごはんが進むものばかりで何度もおかわりしてしまいそう。炊き合わせの「鶏と豆腐のつくね」は手間暇かけて作られています。焼き魚は八汐鱒(ヤシオマス)の一夜干し。
「界 川治」は風情ある里山で地のものと地酒を楽しめる素敵な温泉旅館でした。
ぜひ一度訪れてみて日常を忘れられる空間、食事、地酒で癒されてみてはいかがでしょう。
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