鮒寿司と日本酒でとびきりの酔い心地を
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鮒寿司は、琵琶湖で捕れるニゴロブナを塩漬けにした後、ご飯に漬けて発酵させた「なれずし」で、筆者の出身地である滋賀県の名産です。
発酵臭が強いことでも有名ですが、実は京都の老舗料亭や割烹では酒肴として鮒寿司がよく登場することをご存じでしょうか?
まだ鮒寿司を食べたことがない方は是非、鮒寿司と日本酒の相性の良さを体験してみてください。
鮒寿司と日本酒のマリアージュ
鮒寿司を選ぶ時は子持ちの「メス」を。オスはメスに比べると断然安価なのですが、魚卵部分が圧倒的に日本酒に合うので、やはりメスがおすすめです。
鮮やかなオレンジ色の卵をぬるめの燗酒と一緒に口にふくめば、濃厚なコクがふうわりと広がってまさに至福。
尾に近い締まった肉質の部分は、噛みしめるほどに旨みがしみ出して、これまた酒を呼びます。
周りのご飯も捨てないでください。これ、冷酒によく合います。凍らせてシャーベット状にしても美味しいですよ。
酒の〆には、残った切り身や頭の部分をご飯にのせたお茶漬けがおすすめ。これでしめると、酔いがすっきり覚める気がします。
ちなみに、鮒寿司は薄切りにした方が美味しく味わえますが、慣れていないと薄く切るのは至難の業。よほど自信がある人でなければスライスされたものを購入した方が良いでしょう。
そして、どうしても臭いが苦手という人は、鮒寿司のご飯部分を落として酒粕に漬けなおしてある「甘露漬け」を。こちらはかなりマイルドです。
同じ土地の料理と酒は相性抜群
鮒寿司はどんな日本酒にも合いますが、やや甘めの芳醇タイプとは特に相性が良いように感じます。
そのような中でもおすすめは、鮒寿司の製造販売元のすぐそば、なんと歩いて5分以内という場所に位置する蔵元の日本酒です。
いずれおとらぬ老舗なので、できれば実際に訪れて、鮒寿司と日本酒が作られる場所の空気感を感じていただきたいですが、取り寄せも可能です。
■滋賀県大津市
<鮒寿司>元祖阪本屋 http://www.sakamotoya.biz/
<蔵元>「浅芽生」有限会社平井商店 http://www.biwa.ne.jp/~asajio/
■滋賀県高島市
<鮒寿司>総本家 喜多品老舗 http://www.400-kitashina.com/
<蔵元>「萩乃露」株式会社福井弥平商店 http://www.haginotsuyu.co.jp/
日本では古くから多彩な発酵食品が作られてきました。もちろん日本酒もそのひとつ。そして発酵食品は、美味しいだけでなく、健康にも役立つことが解明されています。
ヘルシーな日本酒生活のためにも、鮒寿司×日本酒はおすすめです。