こんばんは!日本酒の魅力を探求する週末の楽しみ、日本酒おじさんです。全国各地の酒蔵から選りすぐりの一本を味わい、その魅力を皆さんにお届けしています。日本酒の奥深さと、それに合うおつまみのペアリングを一緒に楽しんでいきましょう!
さて、今回ご紹介するのは、栃木県益子町にある外池(とのいけ)酒造の「望 bo: 辛口純米 とちぎの星」です。
外池酒造では、「燦爛」「外池」「望」の3ブランドを展開していますが、今回セレクトしたのは比較的新しいラインの「望」シリーズ。その中でも、赤い文字のラベルが印象的な辛口純米酒(火入れタイプ)をいただきました。
この「望 bo: 辛口純米」は、地元産の酒米「とちぎの星」を使用し、精米歩合65%、アルコール度数16度の無濾過原酒。香味は穏やかで、しっかりとした旨味と、キレのある酸味が特長です。ちなみに「とちぎの星」は、皇位継承の大嘗祭でも使われた由緒ある酒米とのこと。
まずは冷酒でいただきます。
グラスに注いでひと口。純米酒らしいしっかりとした味わいに、シャープな酸味がピリリと心地よく、全体としてキレのある印象。重すぎず、食事を引き立てる存在感があります。これは完全に食中酒向け。どんな料理とも調和してくれそうな懐の深さを感じます。
今回の肴は「赤魚の煮魚 スナップエンドウ添え」と、「ちくわきゅうり」、それに「冷奴」も用意しました。

まず煮魚ですが、甘辛く煮付けた赤魚に、日本酒のすっきりした酸味がよく合います。魚の脂とタレのコクを、望のシャープな味わいがすっと流してくれて、何度でも箸と杯が進みます。付け合わせのスナップエンドウのシャキシャキ感もよいアクセントで、煮魚の柔らかさとの食感の対比が楽しい一品です。
ちくわきゅうりは、見た目こそシンプルですが、侮れません。ちくわの旨みときゅうりの瑞々しさが心地よく、なにより罪悪感のないヘルシーおつまみ。ちょっとマヨネーズをつけると、よりお酒が進みます。こういう軽やかな一品にも、望の淡麗さがピタッとはまりますね。
そして冷奴。シンプルな料理こそ酒の真価が問われる場面ですが、こちらもばっちりマッチ。大豆のまろやかさに、望の酸味が寄り添って、まるで料亭でいただいているかのような贅沢な気分に。
次は燗酒にしていただきます。
お燗にすると、酸味のエッジが取れて、旨味がふくらみます。常温よりもさらに丸みを帯びた印象で、冷奴との相性が格段にアップ。この酒、もしかしたら燗がベストかもしれません。
「望 bo: 辛口純米」は、決して派手さはありませんが、日々の食卓にそっと寄り添ってくれるような優しい一本。飽きずに飲み続けられる、そんな力のあるお酒だと思いました。
ちなみに本酒は、2016年・2019年の全国燗酒コンテスト「プレミアム熱燗部門」で金賞を受賞している実力派。温度による味わいの変化をぜひ体感していただきたいです。
次回は長野の日本酒で晩酌を楽しむ予定です。どんな一本と出会えるか、今から楽しみです!